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はじめに
会社規模を判定する際、従業員数の算定方法は重要な要素の一つです。特に、株価評価や法的な適用範囲の判断においては、従業員数の正確な把握が必要となります。しかし、その算定方法には細かなルールがあり、単純に現在の従業員数をカウントするだけでは十分ではありません。本コラムでは、評価会社の従業員数の判定基準や注意点についてわかりやすく解説します。
内容
従業員の範囲とは?
従業員数を算定する際、どの範囲の人が「従業員」として含まれるかを正確に理解する必要があります。
以下のような基準が適用されます。
従業員の定義
勤務時間や雇用形態を問わず、評価会社に雇用され、賃金が支払われているすべての個人を指します。これには、日々雇用される人やパートタイマーも含まれます。一方で、役員(社長や理事長、法人税法で定められた特定の役員)は含まれません。ただし、平取締役は従業員に含めます。
出向者や派遣労働者
出向社員や派遣労働者については、実際の雇用関係や勤務実態に基づいて判断します。
従業員数の具体的な判定方法
評価会社の従業員数は、課税時期の直前期末以前1年間の従業員の勤務状況をもとに算定します。
以下の計算式が使用されます。
従業員数 = 継続勤務従業員数 + (継続勤務従業員以外の年間労働時間合計 ÷ 1,800時間)
継続勤務従業員数
直前期末以前1年間を通じて評価会社で勤務していた従業員で、週30時間以上労働する従業員を1人とカウントします。
継続勤務従業員以外
直前期末以前1年間の途中で入社・退社した従業員や、週30時間未満の労働時間で勤務するアルバイトなどの日雇いや短時間労働者については労働時間を合計し、1,800時間(1人分の年間平均労働時間)で割った値を追加します。
留意点
従業員数について
計算結果が小数点を含む場合、例えば「20.1人」は「20人超」、「19.9人」は「20人以下」として扱います。
判定期間
判定基準は直前期末時点ではなく、課税時期の直前期末以前1年間です。
おわりに
従業員数の判定は、会社規模を評価するための重要な基準となりますが、その算定方法には複雑なルールがあります。特に、継続勤務者以外の扱いや労働時間の換算方法に注意が必要です。また、判定結果が1つ違うだけで株価評価に大きな影響を及ぼす可能性もあります。
適切な算定を行うためにも、専門家のアドバイスを受けることが重要です。ぜひ本記事を参考に、正確な従業員数の算定を心がけてください。
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