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はじめに
山林を相続した場合にはどのような方式によっては計算すべきでしょうか。
山林の所在地などによって評価方法が異なります。
山林の評価方法によっては相続税の負担が大きくなる可能性もあります。
今回、山林の評価方法についてまとめましたのでご説明します。
山林とは
山林は不動産登記法等により定められております。
山林とは「耕作の方法によらないで竹木の生育する土地」のことをいいます。
山林の相続税評価
評価方式
相続税の評価上、山林は所在地の状況によって分類されます。
(1)純山林
純山林とは市街地から遠く離れた場所にあり、宅地の影響をほとんど受けることのない山林です。
(2)市街地山林
市街地山林とは市街地に存在する山林や宅地に介在する山林のことをいいます。住宅地域に隣接している山林のことです。
(3)中間山林
中間山林とは(1)と(2)の中間に位置する山林のことをいいます。
山林の評価単位
純山林、中間山林は1筆単位を評価単位とします。
市街地山林は利用単位となっている一団の山林を評価単位とします。
純山林、中間山林の評価方法
純山林と中間山林の相続税評価は倍率方式で計算します。
倍率方式は、固定資産税評価額に国税庁に定める倍率を乗じて計算する方法になります。
相続開始年分の固定評価額×倍率=純山林・中間山林の相続税評価額
固定資産税評価額は市区町村から送付される固定資産税の課税明細書より確認することができます。また、固定資産税が課税されない場合には役所より名寄帳を入手することで固定資産税評価額を確認できます。
倍率方式で評価する場合の計算例
固定資産税評価額:1,200,000円
倍率:2.4
相続税評価額:1,200,000円×2.4=2,880,000円
市街地山林の評価方法
市街地山林は原則として宅地比準方式で計算します。
宅地比準方式とは山林が宅地であるとした評価額から宅地転用にかかる造成費を控除した金額で評価する方法です。
宅地比準方式は下記の計算方法になります。
(山林を宅地であるとした場合の1㎡当たりの評価額-1㎡当たり宅地造成費用)×地積=市街地山林の相続税評価額
宅地比準方式で評価する場合の計算例
山林を宅地であるとした場合の1㎡当たりの評価額:60,000円/㎡
1㎡当たりの宅地造成費用:18,500円/㎡
地積:250㎡
相続税評価額:(60,000円-18,500円)×250㎡=10,375,000円
また、市街地山林であっても宅地に転用することができない山林は純山林として評価し、倍率方式により評価されます。
宅地に転用することができない山林とは急傾斜地であるため宅地造成が不可能な場所や多額の造成費用が見込まれるため宅地比準方式により評価するとマイナスとなるような場合をいいます。
おわりに
山林は市街地に近いほど相続税評価額は高くなります。
特に市街地山林は相続税評価額が高額となるため多額の相続税を負担することになります。
また、山林を有効活用するには多額の資金が必要です。
山林を保有している場合には事前に相談することをおすすめします。
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