上場株式を相続した場合の評価方法と注意点とは?

はじめに

上場株式の評価方法と注意点

株式は相続財産になります。

証券取引所に上場している株式(上場株式)と上場していない株式(未上場株式)で評価方法が異なります。

今回、上場株式の評価方法についてまとめましたのでご説明します。

上場株式とは

上場株式とは金融商品取引所に上場されている株式をいいます。上場株式の株価はインターネットで公開されているためご自身で調べることが出来ます。

上場株式の相続税評価

上場株式の評価方法

株式の相続税評価額は、1株当たりの株価×株式数により計算されます。

上場株式の1株当たりの株価は、下記の4つのうち最も低い価額になります。

  • 相続開始日の終値
  • 相続開始日の月の終値の平均額
  • 相続開始日の前月の終値の平均額
  • 相続開始日の前々月の終値の平均額

なお、2以上の証券取引所に上場している株式は納税義務者が選択した証券取引所の公表する価格によって評価することができます。

上場株式の評価例

相続開始日9月20日で株価が下記の通りであったとします。

9月20日の終値:1,520円

9月の終値の平均額:1,600円

8月の終値の平均額;1,500円

7月の終値の平均額;1,720円

4つの価格のうち最も低い価格は1,500円になります。1株あたりの株価は1,500円で評価します。仮に2,000株を保有していた場合には、1,500円×2,000株=3,000,000円になります。

株価の調べ方

(1)上場株式の株価の調べ方:インターネットで調べる

上場株式の評価に必要な株価はインターネットで調べることが出来ます。

Yahoo!ファイナンスで対象となる株式を調べると、最終価格を調べることができます。また、日本証券取引所のホームページにアクセスすると、月間の最終価格が調べることができます。

(2)上場株式の株価の調べ方:証券会社に残高証明書を発行依頼

証券会社に残高証明書を発行依頼すると4つの最終価格を調べてもらうことができます。

ご自身で調べることに不安がある方は証券会社に問い合わせしてみると良いでしょう。

相続開始日が土曜日、日曜日、祝日の場合

相続開始日が土曜日、日曜日、祝日の場合には証券取引所が休場しております。市場が休場していると最終価格がありません。このような場合には相続開始日に近い日を相続が発生した日の最終価格になります。

例えば、土曜日に相続が発生した場合には前日の金曜日の最終価格を相続が発生した日の最終価格にします。また、3連休の中日に相続が発生した場合には連休前の最終価格と連休後の最終価格の平均額が相続が発生した日の最終価格とします。

配当金の支払いや新株割当てがある場合

配当金の支払いや新株割当ての基準日直前や基準日直後に相続が発生したときには株価が一時下落している場合があります。権利落ちしている状況の終値は正常な株価とはいえないため、権利落ちした日の前日の終値を相続開始日の終値と考えます。

配当期待権や未収配当金について

上場株式を相続する場合で、相続が発生した日によっては配当期待権や未収配当金が発生します。いずれも相続財産になります。

配当期待権とは被相続人に保有株式に配当があり、配当基準日の翌日から配当確定日までに相続が発生し、相続後に配当金受け取ることが出来る場合には課税対象になります。

また、配当確定後の翌日以降に相続が発生した場合には未収配当金が発生します。

海外の証券取引所に上場している株式

海外の証券取引所のみに上場している株式は国内上場株式の評価方法に準じて評価します。日本円へ換算する方法は口座が管理されている取引金融機関が公表する課税時期の最終の為替相場(顧客直物電信買相場(TTB))で換算します。

おわりに

上場株式は未上場株式に比べて相続税評価額を把握することは可能です。ただし、配当期待権や未収配当金が発生している場合には相続財産に計上する必要がありますが、相続財産の漏れとなることが多いです。

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