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はじめに
外貨建て財産や国外にある財産を相続、遺贈、または贈与によって取得した場合、その財産価額を円に換算する必要があります。日本国内での相続税や贈与税の計算は円表示が前提となっているため、適切な換算手続きが求められます。本コラムでは、外貨建て財産の邦貨換算について、具体的な方法や留意点を解説します。
外貨建て財産の邦貨換算方法
外貨建ての財産を円に換算する手順は、財産の種類や状況によって異なります。以下に、主なケースごとに邦貨換算の方法を解説します。
外貨預金の換算
外貨預金を円に換算する際は、その預金が設定されている金融機関が公表する、相続が発生した時点の直近の対顧客直物電信買相場(TTB)を利用します。TTBとは、銀行が顧客から外貨を購入する際に用いる為替レートのことで、このレートを使用することで、相続手続きにおける外貨預金の円換算額が適正に算出されます。
国外にある財産の換算
相続税法の施行地外、つまり日本国外に所在する財産についても、円に換算する際には、相続人が取引している金融機関が公表する対顧客直物電信買相場(TTB)を使用します。この方法は、不動産など国外にある財産の価値を適切に評価するために必要です。また、被相続人が取引していた金融機関を利用して、このレートを確認することも可能です。
課税時期時点に為替レートがない場合
課税時期が金融機関の休日などに該当し、その日の為替レートが公表されていない場合には、課税時期の前の為替相場のうち課税時期にもっとも近い為替レートを使用します。
外貨建て債務の換算
外貨建ての債務を円に換算する際は、債務を返済するために円を外貨に交換する必要があるため、対顧客直物売相場(TTS)を使用します。TTSは、銀行が顧客に対して外貨を販売する際に適用する為替レートであり、外貨を購入する際に使用するTTBとは異なる点に注意が必要です。
おわりに
外貨建て財産や国外の財産の邦貨換算は、相続税や贈与税の計算において非常に重要です。適切な換算方法を理解し、相続手続きを進めることで、正確な税務対応が可能になります。また、相続税専門の税理士に相談を受けることによって相続税評価の誤りなどを防ぐことが出来るでしょう。
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