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はじめに
相続が発生すると、遺産の分割や名義変更など、やるべき手続きが山ほどあります。そんな中でも特に重要なのが「相続税申告」です。
しかし、「まだ時間があるだろう」と油断していると、知らないうちに申告期限が迫っているケースは少なくありません。期限を過ぎてしまえば、余分な税金やペナルティが発生してしまう可能性も。
今回は、相続税申告の基本的な期限と注意点を専門家の視点からわかりやすく解説します。大切な資産を守るためにも、ぜひ最後までご覧ください。
相続税申告の期限は「相続があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内」
相続税申告の期限は、被相続人(亡くなった方)が亡くなったことを知った日の翌日から10ヵ月以内です。例えば、令和7年4月2日に亡くなられた場合、申告期限は令和8年2月2日になります。
なお、期限が土日祝日の場合は、次の平日が期限となります。
「亡くなったことを知った日」とは?
通常は「死亡日」が該当しますが、例外的に次のような場合は死亡日と異なることもあります。
- 長年疎遠で死亡を知らなかった場合
- 失踪宣告により死亡が確定した場合
- 死後認知があった場合
特殊な事情がなければ、多くの場合「死亡日=知った日」と考えて問題ありません。
相続税申告だけじゃない!気を付けたい2つの重要な期限
相続手続きには、相続税申告以外にも期限の決まっている重要な手続きが2つあります。これらを知らずに放置すると、不利な状況に陥ることもあるため注意が必要です。
① 相続放棄・限定承認の期限は「3ヵ月以内」
相続放棄とは、プラスの財産もマイナスの財産も一切相続しない手続きです。借金や負債が多い場合には有効ですが、3ヵ月以内に家庭裁判所で手続きを行わなければなりません。
限定承認は、相続した財産の範囲内で負債を引き継ぐ制度で、これも3ヵ月以内の手続きが必要です。
② 準確定申告の期限は「4ヵ月以内」
被相続人が生前に行うべきだった所得税の確定申告を、相続人が代わりに行うのが準確定申告です。こちらの期限は、亡くなったことを知った日の翌日から4ヵ月以内と定められています。
申告期限を過ぎた場合のリスクとペナルティ
相続税申告が期限に間に合わないと、次のような不利益が生じます。
- 無申告加算税
- 延滞税
- 各種特例が適用不可
これらのペナルティは、余分な税金負担となり資産を減らす原因になります。申告期限内に対応することが、何よりも重要です。
申告期限が迫っているときの対処法
申告期限ギリギリになってしまった場合でも、冷静に対応すれば被害を最小限に抑えることが可能です。具体的には次の2つの方法が考えられます。
① 相続専門の税理士に相談する
時間がない中で、自分で相続税申告を行うのは現実的に困難です。まずは相続に強い税理士へ相談し、スピーディに申告手続きを進めましょう。
② とりあえず申告する(後日修正も可能)
申告期限内に一旦「法定相続分」で申告し、後日遺産分割協議がまとまり次第、修正申告や更正の請求を行うことも可能です。これにより、各種特例の適用を確保することができます。
よくある質問
税務署から相続税申告について通知は来ますか?
「相続税についてのお尋ね」という書類が届くことはありますが、申告が必要なすべての方に通知が届くわけではありません。自ら申告義務があるか確認する必要があります。
相続税の納付期限はいつですか?
相続税の納付期限は、申告期限と同一です。申告期限までに納税資金の準備も進めておきましょう。
申告後に評価誤りが判明した場合は?
申告期限内であれば、訂正申告(修正)を行えば問題ありません。期限内の訂正であれば、過少申告加算税などのペナルティは課せられません。
おわりに
相続税申告の期限は「亡くなったことを知った日の翌日から10ヵ月以内」と明確に定められています。
しかし、その期間は相続手続きやご家族の対応に追われ、あっという間に過ぎてしまいがちです。早め早めの行動が、余計な負担や税金を減らす最大のポイントです。
相続税申告について不安がある方、何から始めればいいか分からない方は、まずは相続税に強い税理士へお気軽にご相談ください。円滑で納得感のある相続を実現するために、専門家の力を活用しましょう。
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税理士 久保 亮太のプロフィール