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はじめに
このページでは、これから事業承継をお考えの方へ向けて、事業承継について、解説いたします。
長年、自社のために懸命に心血を注ぎ、育て上げた会社であっても、いつかはその経営を譲るべき時期がやってまいります。
その時期は、人によってさまざまですが、
「高齢になったから」という場合は多いのではないでしょうか。
しかし、「社長の体調が悪くなったから、それでは明日から。」なんて、経営を任せられないのが、会社経営の難しいところです。
会社の経営を後継者へ引継ぐためには、長い時間をかけて準備をすることが大切となります。
また、あわせて、相続に関する対策を考えておくことで、相続人の安心にも繋がりますので、是非最後までお読みください。
事業承継とは
事業承継とは、会社の経営者が、後継者に事業を引き継ぐことを言います。
事業承継の方法として、
- 経営者の親族を後継者とする「親族内承継」
- 親族以外の従業員などを後継者とする「親族外承継」
- 外部の第三社へ売却する「M&A」
があります。
最も大事なことは、現在の経営を次の代へ引継ぎ、その後も継続的に会社が存続していくようにすることです。そのためには、後継者に誰を選ぶのかが重要となります。後継者となるべき親族がいても、経営能力や意欲がない場合もあります。
また、相続人が複数人いる場合は、誰を後継者にするかが困難な場合があるので注意が必要です。
事業承継対策の必要性
いかに、円滑に事業を承継し、経営者自身の引退を迎えるか、という問題は、経営者はもちろん、会社、経営者一族にとって、切実な問題です。
事業承継が円滑に行われないことによって、親族間に争いが発生したり、会社経営に混乱をもたらすことがあります。
そのようなトラブルを抱えた会社では、経営に悪影響を及ぼし、やがて業績が悪化し、場合によっては、事業の継続が危うくなる可能性があります。
そうならないためにも、計画的な事業承継対策が必要となります。
事業承継の流れ
では、実際に事業承継を実行する際には、どのような手順で、何を行えば良いのでしょう。基本的には、以下の進め方となります。
現経営者が事業承継を決断
経営者の交代は、誰を後継者にすえるかにより、従業員や金融機関・取引先との関係、後継者育成、また、事業承継に関する税金対策などに大きな影響を及ぼします。
現経営者はこれらの影響をよく理解し覚悟したうえで、会社のために事業承継(経営者交代)を決断する必要があります。
後継者候補と事業承継方法の決定
次に、現経営者は、会社概況や経営環境などの現状把握により、会社の強み・弱みを分析し、経営課題を洗い出します。
そして、後継者候補のリストアップや会社の実質的資産・負債を把握したうえで、経営課題解決に最善と思われる後継者と事業承継方法を決定します。
事業承継計画の策定
現経営者は、上記で掲げた経営課題を解決しながら、後継者と今後の事業承継計画を策定していきます。このことで、会社の向かうべき方向がはっきりするので、後継者に次代の経営者としての自覚を促し、意識付けをすることができます。
M&Aや事業売却をする場合は、希望条件に適う相手を探し、その条件に沿って資産の移転や経営権の移譲を行います。
また、この段階で金融機関や取引先などの関係者に計画を発信することで、信頼関係を築くことも期待できます。
加えて親族内に後継者候補が複数人いる場合には、親族内で話し合いを行った上で、誰に事業を承継するかを決定します。
事業承継計画の流れは主に以下のようになります。
事業承継の実施
作成した事業承継計画に基づいて、後継者への引継ぎを行います。
後継者以外に相続人がいる場合、遺言書を作成するなどして、経済的・心理的問題の解決を図ることも、経営の安定のためには大切です。
税理士へ依頼するメリット
事業承継は、税金とも大きくかかわります。税負担を考えずに事業承継を行うと、思わぬところで税負担が生じてしまい、事業承継が行き詰まってしまうこともあります。
そこで、事業承継を税金面でサポートする存在として、税理士へ依頼するメリットは大きいと思います。
相続対策ができる
事業承継では、将来発生する相続税も踏まえて対応することが必要となります。
経営者の個人名義の預貯金はもちろん、保有する自社株式や事業用資産も相続税の対象となります。
そのため、相続後に、相続税が多額になってしまうことがありますので、相続財産をすべて洗い出し、整理したうえで、必要な相続対策を検討し、相続への準備を行う必要があります。
一般的な相続対策として、
- 遺産分割対策
- 納税資金対策
- 税負担軽減対策
このような対策に関して、税理士のアドバイスが必要となります。
他の専門家と連携できる
事業承継には、税務のほかにも財務や各種法律など様々な問題が入り込みます。
しかし、それぞれの専門家から提案された最善策は、ほかの分野から見ると最善策とはならない場合もあります。
税理士は、他の専門家と連携し、ワンストップで課題解決を目指しますので、トータルでサポートすることが可能です。
まとめ
事業承継対策は、相続目前で行うものではなく、できるだけ早い時期から、最も企業の永続性の高い承継策を選択のうえ、実行すべきです。
また、相続の際に、相続税で困窮することがないよう、生前から対策を講じておきましょう。
福岡を中心に北海道から沖縄までの全国を対応しております。
当税理士事務所では、事業承継に関する経験が豊富な税理士が対応いたしますので、是非、ご相談ください。