相続時にお金を引き出せないのはなぜ?口座凍結の理由と解除方法を徹底解説【相談無料】

はじめに

大切なご家族が亡くなった後、遺された方々は様々な手続きや支払いに追われることになります。中でもよくご相談をいただくのが「銀行口座が凍結されてお金が引き出せない」というトラブルです。
医療費、介護費、葬儀費用など、すぐにまとまった支出が必要になる場面で預金が使えないと、大きな不安に直面することになります。

本記事では、

  • 銀行がどのように死亡を把握するのか
  • 口座が凍結されるタイミングとその解除方法
  • 凍結前にできる生前の準備
  • 凍結後の対処法と相続税との関係

について、相続専門の税理士がわかりやすく解説します。将来の相続に備えるため、あるいはすでに相続が発生している方も、ぜひご参考ください。

銀行はどうやって死亡を知るのか?

銀行が預金者の死亡を知るきっかけの多くは、相続人や親族からの申し出や、相続税申告に必要な残高証明書の請求です。
役所に提出する死亡届の情報が銀行に直接通知されることはありません。つまり、家族が銀行へ連絡しない限り、銀行が自動的に口座を凍結することは基本的にありません。

ただし、著名人のようにニュース等で死亡が報じられれば、銀行側が自主的に対応する可能性もゼロではありません。

銀行口座が凍結される理由

銀行が死亡を確認した時点で口座を凍結するのは、次のような理由からです。

  • 相続財産を保護するため
  • 相続人間のトラブル防止
  • 銀行自身が法的責任を負わないようにするため

銀行預金は相続財産ですので、勝手な引き出しを防止し、法的に適切な相続手続きを経て初めて引き出しや名義変更ができるようになります。

口座凍結の解除はいつ?

口座の凍結が解除されるのは、

  • 遺産分割協議書によって預金の配分が確定したとき
  • または有効な遺言書に基づいて分割が明らかなとき

です。

ただし、分割協議には数ヶ月かかることが多く、その間はお金が引き出せない状況が続きます。特に現金以外の財産(不動産や有価証券など)が多い場合は、資産の評価・確認に時間を要するため、早急な対応が難しくなります。

口座凍結の前にできる3つの備え

生前に現金を準備しておく

亡くなる前に一定の金額を引き出し、葬儀費用や生活費として備えておく方法です。
ただし、相続税申告時には現金も課税対象となるため、しっかりと記録を残し、相続人間で共有しておくことが重要です。

遺言書の作成

有効な遺言書があれば、銀行は遺産分割協議を経ることなく、遺言内容に従って払い戻しや名義変更を行えます。
特に「誰がどの預金を相続するか」を指定しておくと、相続手続きが大幅にスムーズになります。

生命保険の活用

生命保険金は、相続財産ではなく受取人固有の財産として扱われ、分割協議を待たずに請求できます。
保険金は相続税の非課税枠(500万円 × 法定相続人の数)も活用でき、緊急資金確保と節税の両立が可能です。

凍結後の対応方法

口座が凍結されてしまった場合の選択肢は以下の2つです。

遺産分割協議による解除

すべての相続人が合意し、遺産分割協議書を作成することで口座が解約可能になります。
しかし、協議には時間がかかるため、緊急の支出には不向きです。

相続預金の払戻制度を活用

2019年から始まった制度で、相続人1人が単独で一部の預金を引き出すことができます。

  • 引出可能額:
    「口座残高の3分の1 × 法定相続分」または150万円のうち少ない方

注意点として、この制度を利用すると相続放棄ができなくなるリスクもあります。負債の有無など、事前の確認が必要です。

少額口座の対応

預金残高が数百円〜数千円といった少額の場合は放置するのも一つの選択です。
銀行に手続きを求められることはありませんし、相続人全体の負担を考えた場合、かえって合理的なケースもあります。

おわりに

相続にまつわる預金の凍結は、遺族にとって非常に大きなストレスとなります。
生前の準備を怠ってしまうと、葬儀費用が払えない、生活資金が足りないなど、緊急の事態に直面する可能性も。

私たちは、相続専門の税理士事務所として、これまで多くのご家庭をサポートしてきました。
「何から始めればいいかわからない」「トラブルを防ぐにはどうすればいいの?」といったお悩みにも、親身に対応させていただきます。

当事務所では、福岡を中心に北海道から沖縄までの全国を対応しております。

来所又はオンラインによるビデオ電話(Zoomなど)による初回無料相談を実施しております。

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