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はじめに
法人の青色申告は、税務上多くのメリットを享受できる一方で、一定の条件を守らない場合、取り消されるリスクがあります。特に、二期連続で期限後申告となった場合には、青色申告の資格が失われるため注意が必要です。本記事では、青色申告の申告期限、メリット、取り消し時の対応、および再適用の方法について詳しく解説します。
青色申告の申告期限と受けられるメリット
青色申告を行う法人の申告および納税期限は、決算日の翌日から2ヶ月以内と定められています。この期限を守ることで、以下の税務上の大きなメリットを享受できます。
青色申告の主なメリット
- 最長10年間赤字を繰り越し可能
将来の黒字と相殺することで、税負担を軽減できます。
- 欠損金の繰戻しによる法人税還付
前期の法人税を一部取り戻すことが可能です。
- 30万円未満の少額資産の全額経費計上(一定の法人に限ります。)
資産取得の際に即時費用化できるため、税負担を軽減できます。
- 税額控除・特別償却の適用が可能
例えば、中小企業者等における賃上げ促進税制や中小企業投資促進税制になります。
これらのメリットは、正確かつ期限内の申告を行うことによって初めて享受できるものです。
二期連続で期限後申告になった場合の影響
青色申告には大きな利点がありますが、二期連続で期限後申告となる場合は青色申告が取り消されます。一期目の期限後申告では取り消されませんが、二期連続の場合には二期目以降の申告が白色申告として扱われます。
さらに、青色申告の取り消しは、金融機関や取引先からの信頼に悪影響を及ぼす恐れがあります。
青色申告を再度適用する方法
青色申告が取り消された場合でも、「青色申告の承認申請書」を再度提出することで、再適用を受けることが可能ですが、再申請は取り消し通知日から1年間は不可となります。
その他の青色申告が取り消されるケース
二期連続で期限後申告となるケース以外で青色申告の承認が取り消される主なケースについて下記に記載します。
- 帳簿書類を提示しない場合や税務署長の指示に従わない場合
帳簿書類を税務調査の際に提示できない場合、青色申告の承認が取り消される可能性があります。また帳簿書類の備付け等について、税務署長が指示を出したにもかかわらず従わない場合も、承認取消しの対象となります。
- 隠蔽や仮装が行われた場合の取消し
所得や欠損金額に隠蔽または仮装が認められた場合、さらに悪質な場合には青色申告の承認が取り消されるだけでなく、ペナルティを科される可能性があります。
おわりに
青色申告の取り消しは税務上のメリットを失うだけでなく、信用面にも影響を及ぼします。期限内申告の徹底や適切な帳簿作成により、取り消しリスクを未然に防ぎましょう。万が一取り消されても、再適用の手続きを踏むことで再び青色申告のメリットを享受できます。申告に不安を感じる場合は、専門家への相談を検討してください。
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