資産管理会社は株式会社又は合同会社のどちらにするべきか

はじめに

個人で不動産賃貸業を営まれている方の節税対策として不動産の法人化のメリット・デメリット・仕組みは別の記事で紹介しました。

不動産の法人化 メリット・デメリットについて解説します

不動産の法人化の仕組みを解説します

実際に資産管理会社を設立する際には「株式会社」や「合同会社」で検討することは多いのではないでしょうか。他にも合資会社や合名会社はありますが、今回は株式会社と合同会社の違いなどについてまとめましたのでご説明します。

主な違いについて

株式会社と合同会社の違いは所有と経営が分離しているかどうかになります。

株式会社

  • 株式会社は出資者と経営者の役割が分離されます。出資者と経営者が同一でも問題はありません。
  • 株式会社は会社の代表者を「代表取締役」と呼び、株主総会及び取締役会によって選任されます。
  • 株式会社の重要な意思決定は株主総会になります。重大な意思決定や役員の選任などは株主総会で決定されます。
  • 取締役の任期は2年、監査役の任期は4年と定められております。株式譲渡に制限のある非公開企業は定款によって役員の任期を最大10年とすることができます。
  • 定款を作成したら公証役場で認証を受ける必要があります。
  • 決算公告について義務があります。
  • 利益分配は、原則出資額に応じて分配されます。

合同会社

  • 合同会社は出資者を社員と呼び、社員が経営者と同一である必要があります。
  • 合同会社の代表者は「代表社員」と呼び、定款で代表社員を定めます。
  • 合同会社は定款で定めがない限り社員の過半数(多数決)で決定されます。
  • 合同会社は取締役や監査役といった役職がないため任期は存在しません。必要に応じて、定款の規定により任期を決めることができます。
  • 合同会社は公証役場で定款の認証を受ける必要はありません。
  • 決算公告の義務はありません。
  • 利益分配は自由に定めることができます。

メリット・デメリットについて

株式会社のメリット・デメリット

メリット

株式会社を設立するメリットとしては、会社の方向性を決めやすいことがあります。
資産管理会社を後継者に承継させる場面で大半の株式を後継者へ移す必要があります。
株式を移した後に後継者との関係が悪化し、自分が会社の役員を退任となり、経営に携わることができなくなります。
株式会社の形態では、自分が株式を保有し、後継者を役員に就任させることで会社の経営をコントロールすることが可能です。
また、株式会社は合同会社と比較して知名度が高いため社会的信用が高いです。

デメリット

株式会社のデメリットは設立時の費用になります。
株式会社は登録免許税15万円~かかりますが、合同会社は登録免許税6万円~になります。
また、株式会社は公証役場で定款の認証を行う必要があるため5万円~に対して、合同会社は定款認証が不要であり、費用はかかりません。一般的には設立費用全体で株式会社は30万円程度、合同会社は12万円程度になります。

合同会社のメリット・デメリット

メリット

合同会社のメリットとしては下記の通りになります。
株式会社と比較して設立時の費用が安いことです。設立時の登録免許税が株式会社と比較し安く、定款認証がないため、株式会社の設立費用30万円程度ですが、合同会社の設立費用は12万円程度になります。
また、合同会社は役員の任期や決算公告の義務がありません。役員の任期がないため変更登記費用がかかりません。決算公告についても官報などに公告する義務がないため費用がかかりません。

デメリット

合同会社は出資金額にかかわらず社員1人つき、議決権が1個になります。
合同会社において役員を増やすためには、社員を増やすことになるため議決権を分散させる必要があります。
例えば、社員(役員)に子どもを2人入れたい場合には2人を社員とさせるため議決権が分散されます。子どもとの関係が悪化し、子ども2人と手を組まれ、自分の思った通りの会社経営をすることが出来なくなる可能性があります。
また、合同会社でも定款によって社員の議決権の割合を定めることで問題を解決できますが設立時の会社設計を検討する必要があります。

おわりに

株式会社と合同会社違いなどについて解説しました。

設立費用を安くしたいのであれば合同会社で、会社の運営などをコントロールし、会社を大きくしていく可能性があるのであれば株式会社になります。

将来の会社運営などを決める必要があるため不動産や相続に強い税理士に相談したほうが良いでしょう。

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