【不動産オーナー向け生前対策】不動産の法人化の仕組みを解説します

はじめに

個人で不動産賃貸業を営まれている方は所得税等や相続税の節税対策に不動産の法人化を検討されることは多いのではないでしょうか。
不動産の法人化についてはいくつかの方法がございます。
法人化の方法によってどのような違いがあるのかについてまとめましたのでご説明します。

不動産法人化の種類

不動産の法人化の種類には3つあります。
① 管理受託方式
② 一括転貸方式(サブリース方式)
③ 不動産所有方式
各方法の詳細は下記の通りになります。

管理受託方式

法人に不動産の管理業務を委託し、不動産オーナー(個人)が法人に対して管理料を支払う方法です。
管理業務とは賃料の徴収、管理物件の清掃等があります。
管理料は賃料の4%~6%程度になります。
管理料の相場を超えるような支払いを行った場合には不動産オーナーの経費において否認されるリスクがあります。
近隣の不動産業者の相場を確認する必要があります。
また、実際に管理業務を行っていないと会社の実態がなく、不動産オーナーの経費にならなくなります。
管理受託方式は簡単に法人化することが出来ますが、賃料の4%~6%程度であるため節税効果は薄いです。
ただし、家賃収入が高額な方(家賃収入数千万円以上)は法人へ所得を移転する金額が大きいため検討されてみるのもよいかもしれないです。

一括転貸方式(サブリース方式)

個人が所有する不動産を法人が一括で借り上げ、法人が賃借人と個別に契約する方式になります。サブリース方式とも呼ばれます。
賃借人からの賃料と不動産オーナーに支払う賃料の差額が法人の儲けになります。
法人が一括で借り上げているため空室リスクや賃料の下落リスクを法人がとる形になります。
一般的には賃料の10%~15%程度と言われています。
また、不動産オーナーに支払う賃料を相場より低い金額を設定すると税務署から否認されてしまうリスクがあります。
そのほかにも契約書において、個人と法人でどこまでの範囲を修繕費とすべきかどうかは検討する必要があります。

不動産所有方式

個人が保有する不動産を法人に移転し、賃料を得る方式になります。
法人が不動産を保有することになるため家賃収入の全てが法人のものになり節税効果が高いです。
この方式は節税効果が高いのですがどの不動産を会社に移せば良いのか検討する必要があります。
土地と比較して建物の家賃収入が大きいです。
基本的には建物を法人に移転することによって個人から法人に所得を移すことになります。
また、建物を移す場合には土地は個人、建物は法人となるため借地権課税の問題が生じないようにするために「土地の無償返還に関する届出書」の提出が必要になります。

その他検討すべき事項について

① 個人から法人へ不動産を移すと登録免許税、不動産取得税、譲渡所得税等、司法書士報酬等の移転に関するコストが発生します。
② 個人から法人へ不動産を移すため、法人が不動産の買い取り資金を工面する必要があります。個人から法人への借り換え、会社で新規融資が可能かどうか銀行と相談する必要があります。
③ 不動産を法人に移転できた場合には賃料が法人に貯まっていきます。株主は株式を通じて法人の資産を保有していることになるため、会社が稼げば、稼ぐほど株式の価値が上がります。事前に次世代である子などに株式を移すことによって相続税の節税につながります。
④ 賃貸借契約書、家賃の口座変更、公共料金の口座変更、損害保険の名義変更などの様々な手続きがあります。
不動産保有方式は節税効果が高いのですが手続きや検討すべき事項が多いです。
不動産を法人に移すことができたとしても、「不動産の買い取り価額はどのように算定したのか」など税務調査がある可能性があります。
検討すべき事項が多いため実行前には税理士に相談することをおすすめします。

おわりに

不動産の法人化の方法について解説しました。

特に不動産所有方式の場合には節税効果が高いのですが、検討すべき事項が多いです。

弊所では不動産所有方式による多くの実績があり、個人から法人へ移転する不動産の検討から銀行の事業計画等の策定を行ってきました。

当税理士事務所では、不動産の法人化に関する経験が豊富な税理士が対応いたします。

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